パーキンソン病とは
🧠 パーキンソン病の基本的なメカニズム
1. 黒質(こくしつ)の変性
パーキンソン病の中心的な問題は、中脳にある「黒質(Substantia Nigra)」と呼ばれる部位で発生します。
黒質の機能: 黒質には、神経伝達物質であるドーパミンを作り出し、それを脳の他の部分(特に大脳基底核)に送る重要な神経細胞(ドーパミン作動性ニューロン)が集中しています。
病態: パーキンソン病では、この黒質のドーパミン作動性ニューロンが徐々に破壊され、数が減っていきます(神経変性・脱落)。
2. ドーパミンの欠乏
黒質のドーパミン産生細胞が減ると、その結果として脳内でドーパミンが著しく不足します。
ドーパミンの役割: ドーパミンは、特に**「運動の開始、調節、スムーズな実行」**において重要な役割を果たしています。大脳基底核において、運動指令を調整するための信号を送っています。
症状との関連: ドーパミンが不足すると、運動指令が適切に伝達されなくなり、パーキンソン病の代表的な**運動症状(振戦、固縮、無動/寡動)**が現れます。
3. αシヌクレインの異常蓄積
神経細胞が死滅していく過程で、異常なタンパク質の塊が脳内の神経細胞内に蓄積します。これが**「レビー小体」と呼ばれるもので、その主成分がαシヌクレイン**というタンパク質です。
αシヌクレイン: 正常な状態でも脳に存在するタンパク質ですが、パーキンソン病では、これが異常な形に変化し、凝集してレビー小体を形成します。
レビー小体と黒質: このレビー小体(αシヌクレインの凝集物)が黒質のドーパミン作動性ニューロン内に蓄積し、神経細胞の機能を障害し、最終的に細胞死を引き起こすとされています。
🩺 主な症状
黒質・ドーパミン系の異常により、主に以下の四大運動症状が現れます。
| 症状 | 説明 |
| 静止時振戦 | じっとしている時に手足が震える。動かそうとすると止まることが多い。 |
| 固縮(こしゅく) | 筋肉が硬くなり、関節の動きがぎこちなくなる。 |
| 無動(むどう)/ 寡動(かどう) | 動きが遅くなる、または動作が少なくなる。表情が乏しくなる(仮面様顔貌)ことなど。 |
| 姿勢反射障害 | バランスが悪くなり、転びやすくなる。進行期に目立つ。 |
有名人では、みのもんたさん、永六輔さん、岡本太郎さん、海外では、ボクシングのモハメッド・アリさん、ハリウッドスターのマイケル・J・フォックスさん等。
※薬物療法は、生活に困らない様一時的に動けるだけで経過年数で段々効かなくなり、結果的には寝たきりに至りそう。病歴12年程の私も最初数年は効いていたが今は床に頬やおでこを擦り付ける様に這い回っている時間が多くなり、根本治療では無い。
リハビリは、動き辛いから動かない、その為筋肉が弱り動き辛さが増す。悪循環を断ち切ろうとの事で、例えば12年で寝たきりになる所を13年に引き延ばそうとの努力だ。その13年目に画期的な治療法が始まるかも知れないと期待するもの。
手術も脳に電極、身体にそのバッテリーを埋め込み等あるが、効かなくなる時期がくるらしい。
また薬物療法の副作用としてイライラ・眠気や幻覚やレム睡眠行動障害などがある。
レム睡眠行動障害(RBD)は、夢を見ているレム睡眠中に筋肉の抑制が効かなくなり、夢の中の行動(叫ぶ、殴る、蹴る、ベッドから落ちるなど)が現実に出てしまう病気で、本人やパートナーが怪我をする危険性があります。
| 年代 | 発症率の感覚(およそ) |
|---|---|
| 10代〜20代 | ほぼなし |
| 30〜40代 | 数千〜数万人に1人 |
| 50代 | 約 1000人に1人 |
| 60代 | 約 300人に1人 |
| 70代 | 約 100人に1人 |
| 80代 | 約 70人に1人 |
| 90代 | 約 数十人に1人 |
モハメド・アリ氏のように、ボクシング選手がパーキンソン病を発症するリスクが高いという指摘や、それに関する研究・論文は、長年にわたり多数存在します。
ボクシングなどの頭部への反復的な衝撃を伴うスポーツと、神経変性疾患との関連は、脳の慢性外傷性脳症(CTE)と関連付けられ、広く研究されています。
🥊 主要な研究テーマと関連情報
ボクシングとパーキンソン病(PD)の関係を扱う研究の多くは、以下のポイントに焦点を当てています。
1. パンチドランカー(CTE)とPD様症状
長年の頭部への衝撃は、慢性外傷性脳症(CTE: Chronic Traumatic Encephalopathy)を引き起こすことが知られています。CTEは、パーキンソン病と同じようにαシヌクレインやタウタンパク質の異常蓄積を伴い、パーキンソン病と似た症状(振戦、固縮、運動緩慢など)を発症させることがあります。
モハメド・アリ氏のケース: アリ氏の病態については、典型的な特発性パーキンソン病ではなく、ボクシングによる頭部外傷を原因とする**「外傷性パーキンソン症候群」**である可能性が専門家によって指摘されてきました。
2. 研究の種類
コホート研究: ボクシング経験者や他の格闘技経験者の集団を長期的に追跡し、PDの発症率を一般人口と比較する研究。
病理解剖学的研究: 死亡したボクシング選手の脳を調べ、αシヌクレインやタウタンパク質の病変(レビー小体や神経原線維変化)を確認する研究。
メタアナリシス: 複数の先行研究を集計・分析し、関連性の強さを統計的に評価する研究。
📄 関連研究や論文の検索方法
特定の論文のURLは変更される可能性があるため、ご自身で最新の研究結果を検索することをお勧めします。以下の専門的なデータベースや検索ワードをご利用ください。
| データベース | 検索ワード(英語) | 検索ワード(日本語) |
| PubMed (医学論文データベース) | Boxing Parkinson's Disease risk | ボクシング パーキンソン病 リスク |
| Google Scholar | Chronic Traumatic Encephalopathy Parkinson's | 慢性外傷性脳症 パーキンソン病 |
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